マスクの着用と子どもの変化
令和5年5月8日より新型コロナウイルス感染症(以下新型コロナ)が5類感染症と分類されることとなり、様々な点が変更、感染対策に関しても個人の判断が基本となりました。
5類感染症に分類されたことでこれまでよりできることも多くなりましたが、この数年間の間新型コロナが世界中で猛威を振るい、マスクの着用や外出機会の減少など私たちの生活が大きく変わりました。
特に新型コロナが5類感染症に分類されるまでは外出時にはほぼマスクをつけて生活をしていました。感染対策としてのマスクは有用ですが、実は子どもの成長に対して良くない点もあります。
以前弊社コラムでも新型コロナの影響で体力低下がみられるというお話をさせていただきましたが、今回はマスク着用が与えた子どもへの影響をお話したいと思います。
1.表情を読み取る力の低下
乳児、幼児は大人の真似をすることや表情を見ることで、自分の動きの習得や相手の気持ちを読み取る力が育てられます。しかしながらマスクの着用により大人の表情が見えず反応が乏しくなったと感じることもあります。
特に乳児には相手の表情、感情に合わせて体や口を動かしたり声を出したりするエントレインメント(引き込み現象)を持っていますが大人がマスクを着用していることにより、日常的に生じていたエントレインメントが生じにくくなっていました。
そのことにより子どもが大人の表情を観察することや真似する機会が乏しくなり、子ども自身の感情の表現や相手の気持ちを読み取る力が弱くなっています。
そのためこれからは今まで以上に子ども達に対して大人が気持ちを表情や動きでわかりやすく表現していくことが大事ですね。
2.口呼吸の増加
マスクをしていると呼吸がしづらいですよね。そのためマスクをし続けていると口呼吸になりやすくなります。特に幼児期にはまだ口周りの筋肉が大人に比べて弱いため、大人よりもさらに口呼吸になりやすいです。
口呼吸のデメリットは歯並びや姿勢が悪くなること、感染症にかかりやすくなるなどが挙げられます。また運動面では口呼吸は鼻呼吸に比べ酸素の供給量が低下し、集中力が落ちパフォーマンスの低下につながります。
以上のことを踏まえ、弊社では課外教室にて指導者もマスクを外し、子どもに表情を見せながら指導を行っています。
感染から自身を守る、感染を広げないという意味ではマスクはもちろん有効ですし、5類感染症になったことにより以前のような感染、拡大への恐怖は少なくなりました。
しかし、以上に挙げたように新型コロナやマスクの着用が原因で引き起こされる悪影響もあります。それらを理解し対応すると共にこういった事態が再び起こらないよう願いたいものです。